人間であることの証
人が持つ黒いもの。嫉妬や執着や、体裁を保ちたいみたいな感情。ダークサイド。
嫌われることが多く、できればない方がいいと思われがちだ。
でも、わたしはその感情たちが、人間に生まれた醍醐味というか、神さま仏さまではない証拠でもあると思う。
先日映画、バケモノの子を初めて見たのだけど、その中にも人間の闇は明確に描かれていた。バケモノの世界では皆、心の中に闇を持っていないが、人間世界では皆が闇を持っていて、感情が高ぶった時にそれは放出され、ひどければ人をも殺してしまう。(映画とてもおすすめです。)
あれだけ愛情深い名言や、言葉だけでなく行動まで伴っているマザーテレサでさえも、
晩年自分の中にある闇に悩み苦しんでいたのは有名な話。
聖人君子を目指すのはもちろんいいし、より良い人間になろうと努力するのも、そもそも向上心がないより遥かに良いと思う。
ただ、自分の中に絶対的な影の部分、ダメなところがあることも、ちゃんと認めてかわいがっていきたい。
それが人間に生まれた罰というか、人間たる所以だと思うから。
自分にはそんな汚い感情や黒いものはない!
と思うと、他人のその部分に対して厳しいジャッジをすることになるし、
いい人だと思って仲良くしてたのに、思ってたんと違うじゃん!
みたいな悲劇っぽい茶番が起こる。
どんなにすごそうに見える人でも、弱いところはあるし、ダメなところもある。
いつも穏やかでも、なにかの折に感情が爆発することもある。
お互いさま、と思えたらすごく楽になるし
この人も人間なんだ。って思うとまた好きになったりする。
日常の中で、立場的にどんなにえらい人でも、立場は立場。
悩みや葛藤やいろんなことがあるのはみんな一緒。
そう思って寛大に生きてゆきたいなと、思う初秋。
Rita.